「携帯拾ったぁ!?」
「おぉ。
落ちてた。」
「落ちてたって…。」
結局、学校をさぼった誓耶は慎吾と歩きながら黒の携帯を見せた。
金髪を短く刈り上げ、ピアスを開けた慎吾はかなり近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
これで喧嘩を売ってきた酔っぱらいに「消えろ」とか言うもんだから、巡回中の警官と行き交ったらもう最悪。
あたし何回とばっちり食ったんだろ。
「持ち主から電話かかってきたか?」
「まだ。
てか拾ったのちょっとヤバそうな路地なんだよ。
もしかしたらいらない携帯だったりして。」
誓耶の言葉に慎吾は目を見開いた。
「待て。
ヤバそうな路地ってなんだ。
お前、何してんだ。」
「何もしてねーよ。」
俺ヤクザとかやだぞ、とチンピラのくせに慎吾は頭を抱える。
「るっせーな。
心配しなくても慎吾は頼らねーよ。」
「頼れよ馬鹿。
泰誓さんに合わせる顔がない。」
「兄ちゃんに会ったことねーだろ。」
誓耶は呆れてため息をついた。
てくてくと隣を歩く慎吾はどこか抜けている。
喧嘩も強いし、人望もあってここらの不良学生や柄の悪い奴らと上手くやってはいる。
が、危なっかしい。
会ったこともない泰誓に怯えて誓耶を解放したのがいい例だ。
今だってヤクザにビビった。
「で、今日はどーすんの?」
「どうするって?」
「お前、ガッコさぼったんだろ?」
さぼったっていうか、行けないっていうか。
「まあ。」
「俺呼び出してどこ向かってんの?」
言われてピタリと足を止めた。


