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朝。
目を開けると、視界が縦だった。
…普通は天井が目に入るはずじゃ…。
しかし、思い出してみると、最後の記憶はこの体制。
あたし、偉槻の歌聞きながら寝たんだ…。
ご丁寧にかけられた布団を引きよせる。
かけてくれたんだ、偉槻。
部屋を見回すと、偉槻がいない。
なんで?
耳を澄ますも、音はない。
誓耶は立ち上がって部屋を出た。
台所にもいない。
ガラッとこの間寝た部屋を開けてみるが、いない。
…どこ?
「偉槻?」
だんだん不安になってきた。
偉槻、どこだ?
「偉槻!?」
ペタンと座りこむ。
どうしよう?
こういう場合はどうしたらいい?


