胡蝶蘭

外に出ると、誓耶がビクッと身を縮めた。



偉槻が見ると、震えている。



そういえば、こいつはトレーナー一枚の姿だった。



こんな真冬に、なんて恰好なんだよ。



「寒いだろうけど、我慢しろ。
…ったく、お前はなんでそんな恰好で出てくんだ。」



誓耶は答えず、潤んだ目を向ける。



「説明は、家についてから。
だな?」



寒さで口がきけないのか。



まあ、そんなこともないと思うが、誓耶はどうしても外では口を開かないらしい。



道行く人が、みんな偉槻達…というか、誓耶を振り返っていく。



ニヤニヤと笑った若い達が、立ち止って近づいて来ようともした。



偉槻が睨んで撃退したが。



もし一人だったら…想像に難くない。



というか、偉槻のところに来るまでに何もなかったのが驚きだ。



よく無事だった。



ちらりともう一度誓耶を見る。



顔を伏せて、偉槻の腕にしがみつきながら、震えていた。



……ったく、ガラじゃねぇ。



舌打ちすると、誓耶が偉槻を見上げた。



何?と目が問うている。