二人はバーミヤンに入り、すぐに焼き餃子とドリンクバーを頼んだ。最も安上がりな注文である。
「なんか、俺ら二人でこうやってファミレス来るの久々だな」
「確かにな。高校の頃はしょっちゅう行ってたけどな。河村の浮いた話を嫌というほど聞かされたな。」
「まあ、今日も嫌というほど聞いてもらうけどな」
「まあいいけど。たまには息抜きが必要だ」
「その通り。中川お前は大学来てから3カ月になるけどさあ、ちゃんと楽しめてるのか」
「まあ、普通かな。高校の方が楽しかったけど。今だってそう悪くはない」
「なんか、お前ほんと変わったよな。高校の頃はこんなに棘がある人間じゃなかったぞ」
「自分でもわかってる。何でだろうな。たぶん河村との距離が開いたからだろうな」
「なにそれ。まさか俺への愛の告白?」
「俺はそんな趣味無い。お前と一緒にいると、俺も普通に喋ってるように見えるから、話しかけやすいんだろうなって」
「つまり、まさかの俺にそばにいて欲しいってこと?」
「いや、そういうわけじゃない。俺は今で満足してるからな。何だかんだお前と今の関係なら楽しいかな、なんてな」
「なるほどね〜。じゃあ今度は俺の番な」

