ダフーン

「無花果さん、優奈ちゃん泣いてますよ」

「はいはい」



「無花果さん、優奈ちゃんが」

「はいはい」





「無花果さん、肩もんで下さい」

「はいはい、って…え?」

「早くして下さい」

「おまえ弟子のくせに最近生意気じゃね?」

「何言ってんですか、弟子じゃなく、助手ですよ。助手は師匠より偉いって知ってました?」


「いや、おかしいだろ!!」

「うわーん」

「ほら、赤ちゃん泣いちゃいましたよ、行ってきて」

「くそ…いつかぶっ殺す」




何やかんやあり、3日が経った。

「無花果さん、大変です!!」


たぬきは勢いよく扉を開けるふりをした。

「どうした?」

たぬきは無花果の頭にボールペンを刺したあと

「また子どもが事務所の前に!!」

「なーにーやっ…」

たぬきはボールペンを無花果の口の中に刺した。

咳き込む無花果。笑うたぬき、笑う子ども。笑う優奈ちゃん

「なんだ…こ……のゴホッ…コン………トラストは……」


「異次元の世界だよっばか」

子どもは言ったあと。
「はい、手紙」

無花果に手紙を渡した。