「無花果さん、大変です」

たぬきは勢いよく事務所の扉を開けた。
すると扉は無残な姿へと変貌したが、無花果は気づかなかった。

「どうした、たぬき」

「事務所の前に、捨て子がっ」

「なにー、やっちまったな!!?」

「ふざけんな」

たぬきはボールペンで無花果の目を突き刺した。しかし無花果は気づかなかった。

「この子です」

「お前の子か?」

「捨て子だって言ってるでしょ」

またたぬきはボールペンを無花果の目に突き刺した。しかし無花果は気づかなかった。

「あ、手紙が赤子の口の中に入ってました」

「ダイナミックだな」

「どれどれ」

『まりこ探偵局の皆様へ
訳があり、二、三日優奈を預かりなさい。
ばか、税金泥棒なんだから、それくらいしろっ。ばーかばーか
優奈の母親より』


「…エキセントリックな母親だな」

「エキセントリックの意味知ってるんですか?」

「いや、知らん」


こうして、赤子を育てることにしたまりこ探偵局の皆様