薄暗いトンネルの中、黒い服に、黒い帽子、いかにも怪しげな雰囲気を放っている一人の男が、左手に包丁を持ち、右手にはフライパンを握って、誰かを待っているらしかった。

「早く……早くこい」

男は不敵な笑みを浮かべながら、何かを今か今かと待ち構えている。

不意に、トンネルに足音が響く。男のものではない。また別の誰かであった。

よく見ると、赤い服を着た、顔立ちがいい黒髪の女の人が歩いているのが見える。

女は携帯をいじりながら歩いているため、男には気づいてない。


男はニヤリと笑い、その女に近づいていき、持っていたフライパンで女の頭を殴った。