大分歩いたときに、

「しっかし、おまえに子どもがいたとはな」

「あれは嘘ですよ。入り込むための」

「普通に忍び込めばよかったんじゃね?」

「いや、不審者扱いされますって」

「あ、そっか」


と、言いながら、教室をぐるぐると覗き込んでいた。


「みんな真面目だな」

「真面目ですね」

「不良いなくね?」

「いませんね」


不良だから学校来てないんじゃない?と結論に達したほど、みんなきちんと授業を受けていた。