振り返った先―…
ドアの前には、
誰も居なかった。
それどころか、さっきまで吹き荒れていた風も、割れた皿も、
何もなかったかの様に元通りになっている。
そして、さっきと少し違うのは
消えた雛と糞餓鬼と
折れた脩人のフライ返し…
「…っ…雛…!!!!?」
愛璃は雛の姿を探す。
「…脩人!脩人!雛が居ない!」
愛璃は脩人の背中を支えて起き上がらせる。
「…っくそ…あの野郎…」
脩人は立ち上がって自分の手にあるフライ返しの残骸を見て、そしてそれを思いっきり窓の外に投げ捨てた。
「…っ、とにかく探そうぜ。もしかしたら、まだ近くに居るかもしれない。」
「…おう。」
愛璃は返事をするとすぐ、家中、庭中、いろんなところを探し回った。
…しかし、雛の姿が見つかることはなかった…。

