次の日も、その次の日も、私はあの河原へ通った。


一人ぼっちの家も、嘘の笑顔をかぶった真樹ちゃんやクラスメイト達も、全然気にならなかった。


彼に会うことが私の唯一の楽しみだった。


日を追う毎に、自分の気持ちを曝け出すようになってきた。
彼は黙って私の話を聞いてくれたし、正直、どこの誰だかわからないからこそ自分の弱音も吐けた。



ある日のことだった。
姉が帰ってきた。家は以前と同じような賑やかさを取り戻したが、私はやっぱりその輪の中に入れなかった。
元々その中に入る気もなかったので、リビングで家族が談笑する中、私は部屋で本を読んでいた。
ふと喉が渇き、階段を降り、キッチンへ向かう。
私が降りてきたことに誰も気付いていないようだった。