未来へ

その日の放課後、帰り道で数学のノートを忘れてきたことを思い出し、学校へ戻った。
色んな部活の人達がそれぞれに活動してる中、私の教室には数人の女子が残っているようで話し声が聞こえた。

｢あれ、このノート誰の？｣

私が扉に手をかけたときだった。

｢あー、それ朝倉さんのじゃない？ほら、中身びっしり。すげー｣

クラスに“朝倉さん”は私しかいなかった。彼女達は人のノートを勝手に見ているのか。なんだかムッとした。

｢マジがり勉じゃね？！キモいんですけどー｣

キャハハハハ、と笑い声が置き、私の心臓が跳ねるように動いた。

がり勉？
キモい？

私、そんな風にクラスメイトに思われてたの？


帰ろう、と思ったその時

｢真樹さぁ、なんであんな暗い奴のトコ話し掛けに行くの？｣


真樹、は私に話し掛けてくれる女の子だ。
彼女は｢真樹って呼び捨てでいいよ｣って言ってくれたけど、私はなんだか恥ずかしくていつも真樹ちゃんと呼んでいた。
彼女も、この場所にいるのか。


彼女はなんて答えるのか。

やはり他の人と同じように、キモい、なのか。