通るんじゃなかったと本気で思い
話しかけようか迷っていると
「おい、むしかよ。」 とさとしが
ぶっきらぼうに話しかけてきた。
「無視なんかしないし。てか、あんたこそなにしてるの?」
わたしだって強気にでるんだからと
言い返してみたものの気まずい空気…
するとさとしの表情がやわらんだ。

「俺は素振りだよ。にいちゃんみたいになりたいから。」
とさとしは手をとめ目を輝かせながらはなした。
私は
その変わりようにドキドキしたが
それよりも素振りがわからなかった…

「ねぇ、素振りってなに?」
と聞いてみた。