あれは青春期と言っていい、高校時代のこと。
受験だの勉強だの友達だの全てが煩わしく感じていたあの頃。
私は一人の教師に恋をした。
それが破滅へ導くための甘い香のする罠とは知らずに。
美しい薔薇には刺があるというよりは、甘い話には裏があるという言葉のとおりだった。
私にあと一年、あと一年の人生経験があれば引っ掛からなかったのにと後悔しても後悔してももう時間は戻らない。