「心衣っ!!うちら次理科だよ!!」



「嘘っ!?移動じゃん!!」



「心衣ー早くしないと遅れちゃうよ!!」



あれ??筆箱がない…??



「ごめん蕾ー、筆箱が見つかんないから先に行っててー!!」



「はーい。」



あっ、あった!!ロッカーの上だ!!


あたしは理科の準備をして、3階の自分の教室から2階の理科室まで行くために階段を駈け降りた。



本当なら間に合うはずだったんだけど...



「ぎゃあっ」



階段につまずいて3段くらいの高さから落ちた。



いったー!!



てゆーか1人で何やってんの、あたし!?



いったーっ!!



今度はなんだよ??



「あっ、わりっ!!」



その声にあたしは顔をあげた。あたしの前にはかっこいい坊主の男の子が立っている。
転んで寝そべってるあたしの手を踏んずけたみたい。



体育着についている名前を見ると

朝倉 龍 (アサクラ リュウ)

そう書いてあった。



龍…??もしかして蕾の好きな男の子??



「もしかして、2組の龍くん??」



「そうだけど…??どうかした??」



「う、ううんっ!!なんでもない!!あたし、1組の心衣ってゆーんだ。よろしくね!!」