目の前の白い車。



そこから降りて来たのは、

中年の男女だった。



助手席の女性は、

ドアを閉めると

僕を見ていった。



「うちに何かご用ですか?」



うちに?

ということは、

茉莉の両親なのか?



僕は会釈して答えた。



「神崎と申します。
茉莉さんとはいつも
仲良くさせていただいて
ます」



すると女性は、

少しはっとした

表情を浮かべた後、

いった。



「神崎さん?
いつも茉莉がお世話に
なってます。
茉莉の母です。
今日はどうされたんですか?」


彼女の母の言葉には、

どこか緊張感が

こもっているような

気がした。



「最近茉莉さんと
連絡が取れないので、
何かあったのかと
思いまして…」



僕の言葉に、

彼女の両親は顔を

見合わせた。



少しの沈黙の後、

彼女の父が頷き言った。



「どうぞ中にお入り下さい。
私達もお聞きしたい
事があります」



僕は家の中へと入っていく

彼女の両親に続いた。