「う〜ん!やっぱり山の
空気は澄んでるね〜
星も綺麗に輝いてるしっ!」



そう言い背伸びをしながら

深呼吸する彼女に

僕は目を奪われていた…



月の光に照らされた

彼女の横顔が…


凄く…

凄く神秘的に見え…


いっぱいに広げた腕が

翼となり今にも飛んで

行きそうな…


そんな気がした…



すると…

見とれる僕に

彼女が強い視線を

送りながら…



「何ぼーっと見とれてんのよ?ボヤボヤしてたら
羽が生えて
どっかに飛んで行っちゃうよ」


っと言い…


そのまま僕の目を

ジッと見つめていた…



僕は

急加速する胸の鼓動を

抑えるように

目を閉じて

深く…深く…

冷たい空気を吸い込み

深呼吸をした…



そして…


彼女の力強い瞳に

精一杯の想いを込めた視線を

送りながら…


想いを…伝えた……