あの最後のライブ以来…

彼女はよく

路上で歌っている…



バンドの時のファンも

彼女の新しい魅力を

見て応援してくれていた…




なぜ彼女が路上を

メインに活動しているか…



それはもっとファンとの

距離を無くす為らしい…



彼女は…


ファンの人の話を歌詞にし

その人に歌っている…



今日もまた

路上で歌う…



今日はある女の子の

話を歌詞にし

その子に聴かせるみたいだ…



約束の場所…

約束の時…

僕もそれに合わせて

見に来ていた…



そして…



その子を前に歌い出す…




逢いたい時に
逢えない夜は
あなたの夢を
見れるように
星に願いを
かけてみたり
あなたの名を
呼んでみたり


どんなに綺麗な星を見ても
1人では辛いだけで
抑えきれない寂しさが
涙と共に溢れるばかり…



こんなに辛いなら何故…
あなたを好きになったんだろ?愛してるそんな言葉だけじゃ
心が満たされない…

強く強く抱いてギュッと…
今すぐ会いたい…




歌い終わると彼女は

女の子に話かける…



「大好きな彼が遠くに
行ってしまった…辛いよね…
今の辛さをいっぱい
溜めといて
会った時には思いっきり
ぶつけてやれっ」



そう言うと彼女は

女の子にその歌を録音した

CDを渡した…



女の子は…

少し涙ぐみながらも



「ありがとう…
これ…彼氏に送って
聴かせます!」



っと言って

笑顔で手を振り

夜の街に消えていった…