待ち合わせの場所は

彼女の最寄り駅の

ロータリー…



車を走らせ

約束の時間の少し前に着いた



少し待つと

正面からギターケースを

担いだ彼女が来た!



後部座席にギターを置き

助手席のドアを開ける彼女…



軽く挨拶を交わし…

彼女は席についた



そして…



彼女が指定した行き先は……



「じゃあレッツゴー!
目指せ山!!
夜景の見える山まで行こう〜」


山だった…



彼女は笑いながら

そう言うが…

山って何処の?



僕は予想もしていない

行き先に戸惑い…



彼女に聞いた…



「やっ山ですか〜?
夜景の見える山なんて
僕は知りませんよ〜!
茉莉さん知ってますか?」



すると彼女は



「知らな〜いっ!
山だったら登れば何処でも
夜景見えるんじゃないの?」



っと答えた…



ホントにこの人…

無茶振りだな…



何で歌を歌うのに

山なんだ?



そう思いながらも

言えないのは…

恋した者の弱み?

なのかな…



とりあえず僕は

山の方角へと車を走らせた



道中コンビニに寄り

飲み物を買い…

また走り出した



そして彼女が言う



「しかしほんとに車…
ボロいし汚いよねぇ!」



僕はそう笑う彼女に



「だから最初にそう言った
じゃないですか〜!
嫌なら歩きます?」



っと言った…



彼女はふくれっ面の

僕の頬を指で

突っつきながら…



「こんな美女を
置き去りにしたら
一生後悔するよ〜」



っと言う…



ほんと…この人の前だと

弱いよなぁ…



そんな他愛もない話をしながら
僕らの車は…

山頂へと続く道へと

入って行った…