マコトは本当にずっとついて来た。
学校に着いて、教室に入っても…。
まるで授業参観のように後ろに立っていた。

でも本当に…
誰もマコトに気付いていない。

「この問題を…、早川、なんか落ち着きないな。この問題解いてみろ」

「はっ、はい…」

キョロキョロしていたらあてられてしまった…。
どうしよう、わからない……

―はっ!わかる!
急にわかるようになった!
…なんで!?

「おぉ、正解だ。なんだ、ちゃんと聞いてたんだな」

席に戻る時に、マコトの顔を見たらニコニコしていた。
…マコトが何かした!?
マコトは魔法使い!??

「えー、じゃあ次わかる人」

「はいっ…、ええっ!?」

私の手が勝手に上がり、返事をしてしまった…。
自分でびっくりしていた。

「おぉ、じゃ早川」

「…はい」

そして次の問題も、また次の問題も…
自分の意思ではなく手が上がり、先生がさす問題は全部私が答えてしまった。

「早川、今日は調子良いな。全部解けてるし。何より、おまえはいつも自分から手を上げるなんてことないのにな。その調子で…まぁほどほどに頑張れ。他のやつも答えないといかんからな」