もう目の前に想はいないのに、高鳴る心臓。



胸の鼓動。


私どうしちゃったの?


私は目の前の扉を見て思い出した。



あのときのキスを。







私はバックから鍵を乱暴に取り出し、鍵を開けて中に入った。



入ったとたん腰が抜けてその場にしゃがみこんでしまう。




なんで。



あのときの言葉はどういう意味???




どうして。


どうしてキスなんかしたの?




まだ感触の残っている唇。

また想の声がきこえてきそうな耳。






「想・・・」




私は誰もいない部屋で囁いてみる。




あぁ・・・反則だ。



私はきっと彼に恋してるんだ。