パステルクレヨン




「ぎゃー!!!」



あたしはまた画像を削除したくて携帯に手を伸ばしたけど


今度は玉置にひょいとかわされた。



ヒカルくんの隣の席に座らせてもらった、あの日だ。



あの日、確かに彼は、『いいモンいただきました』って、言ってた。



「前から思ってたけど、早瀬、ちょっと無防備すぎ」



玉置が深呼吸のようなため息を漏らす。



「男の前でほいほい寝るなよ。 例えそれが公共の場だとしても」



学ランのポケットの中に携帯ごと手を突っ込んだ玉置の顔が


ちょっと赤く見えたのはただの気のせいかもしれないけど



嫌だって、思ってくれたんだ。



好きとは違くても、あたしに軽はずみなことしてほしくないって、そう思ってくれたんだ。



「うん…」