愛してる、なんて言わないで【短編】



「背伸びした」

『…大好き』


さっきまでの無機質に見えた文字が、凄く温かくてキラキラしたものに見える。


「俺も…大好き」


照れくさい気持ちはきっとまだ恋なんだろう…


「キスしていい?」

『下心…?』

「下心」

クスクスと笑いながら、キスをした。
愛なんて大それたものはまだ分からないけれど…この恋が愛に変わればいいな、なんて思う。



『あたし、分かっちゃった』

「ん?」

『愛が何かって誰かに教えて貰うんじゃないみたい』