君に触れたくて、口実



気付けば、楢崎くんにお姫様だっこされて、そのまま廊下を歩かれていた。

周りの視線が頬に突き刺さる。


当たり前だ、昭和な真面目ちゃんと、オレンジ頭の問題児の組み合わせなんて、誰が見たって滑稽で、気になるに決まっている。

好奇の視線を浴びたって不思議ではない。


私は見られることに慣れていないから恥ずかしくて仕方なかったけれど、楢崎くんの方は見られることに慣れているのか全く気にした様子もなく、スタスタと廊下を歩いていた。