「ずっと好きだった
だから酔った勢いだったとしても
妊娠しててくれれば…って思ってる僕もいて
ずるいとは思ってた
たった一度の関係で果恋を縛るなんて…て
だけどこの機会を逃すのも嫌で…」

誠也もずっと迷っていたのか?

不安を抱えていたのか?

悩んでいたのか?

あたしと同じようにずっと……

ただ男としての責任を果たすためだけに
言い続けていただけじゃなかったんだ

あたしも誠也の腰に手を回すと
ぎゅうと抱きついた

「ごめん、ごめんね
あたし、気付いてあげられなかった」

「いいんだ
僕も何も言わなかったんだから」

「あたしはずっと…誠也が
大人の男として責任を果たそうとしているだけだと
思ってたんだ
本当に好きなのは美雪さんで…
だけど未成年のあたしを抱いたからって
そう思ってたんだ」

「ん、果恋はずっとそう勘違いしているとわかってたよ
だけど、僕の気持ちを僕の態度を見てくれれば
いつかきっと気づいてくれるって思ってた」

「わかんないよ
言葉で言ってくれないと…わかんない」

「そうだね
僕もそう思ったよ」