あたしの仮旦那は兄貴の親友

「え?
果恋から…いや、海堂さんから連絡があってね」

「隠さなくていいんじゃねえの?
夫婦だって言えよ
事の最中に
花音の連絡を受けて
果恋にお預けをくらっているってね」

兄貴が笑いながら言った

ちょっと違うぞ

最中じゃないし!

お預けでもない

「廉人さんとお知り合い?」

ますます花音が不思議そうな顔をした

「同級生…んで、悪友だ」

兄貴が立ち上がって
あいつの肩にぽんっと手を置いてにっこりと笑う

「別にあたしは好きじゃないわ」

好きだけど…
別れるつもりでいるんだから

花音に誤解されないようにしなくちゃ

あいつの将来のために
あたしは身を引くのが一番なんだ

「夫婦って言った?
結婚しているの?」

花音が首を傾げた

「だから兄貴と別々に住んでるんだよ」

あたしは肩を持ち上げて、苦笑いをした

「果恋ちゃん、結婚してたの?」