Side 隼人 「はーやーと君っ」 「……」 「無視なんてひどいっ、隼人君の馬鹿!」 そう言って泣き真似をする歩夢(あゆむ)に、俺は蹴りを入れた。 「うっせーまじ」 「痛えよ阿呆!」 低血圧な上に昨日のことが頭から離れなくて寝不足だ。 それなのに朝から元気な歩夢に絡まれ、一気に不機嫌になる。 「なんだよ。朝から」