「・・・やはり・・今夜がヤマですね・・・」


そんな医師の言葉を聞き、絵里香は父親を残したまま病室を1人飛び出した。




『イヤだ!ママが死ぬなんてイヤだ!!』




「・・グスッ・・ハァ・・グスッ・・・ウッ・・ウッ・・・」




泣くのをなんとか我慢しながら、絵里香は持ってきた学生カバンの中を漁った。


探している物は、濃い緑の硬い表紙に金色の文字……


やがて、1冊の本を取り出しパラパラとめくった。


絵里香の頭の中に、すでに確認すべき数字は決まっていた。



この病室の部屋番号 645号室


時間  6:45pm



「・・・グスッ・・・6・・4・・5・・・・645・・645・・・・・」




「あった!!エンジェルナンバー645!」