「椿様…」


襖の外から声がした



「はい?」


「龍様がお呼びでございます。
お部屋へ」


「すぐ行きます」


家来の人は下がった



お凌さんは微笑んで


「では、お着物を新調いたしましょう」


にっこり笑って着物を取りに行った





――――――――
――――――



「椿です。失礼します」


「おせぇ…何時間この俺を待たしたら気がす………」


こちらを見た龍様は固まって言葉が続かなかった


「ど…どうかなさいましたか?!」


「―…。こっち来い」


龍様のお部屋の縁側

隣に腰掛けた



「その着物…

今度こそ…滝次達に見せんなよ」


「えっ?!」


今着ているのは
薄い緑に金や青の花々が描かれたもの


「もぅ、先言っとく。

似合ってっから…綺麗だから
あいつらに見せたくねぇんだぞ?!」


言い終わると耳まで赤い龍様





あたしも同じく耳まで真っ赤だろう