《完》シークレットコードにご用心

そして最後に伊織を
見ると、彼は黙って
首を横に振った。



『彼は、犯人じゃない』




「……僕も父も、バカに
されたものだ。


元・暴走族だったから?

そして父親がそんな男だから?

それだけで、あんな
くだらない事件の容疑者に
されなきゃいけないのか――?」


ワナワナ震える渋谷さんの
声に、あたしはハッと振り返る。


自嘲に満ちた声。


なんだか胸が痛くなった。


たしかに“紫龍会の
カイン”を容疑者として
ピックアップしたのは、
暴走族っていう犯罪に
近い世界の人だからだ。


でも、それだけでむやみに
決めつけたつもりは、
あたし達には絶対にない。