《完》シークレットコードにご用心

「どーも。

それで、あんたはなんで
あそこにいたんだ?

父親――柴浦の指示か?」


それを聞くと、渋谷さんは
とんでもない、という
ように鼻で笑って、


「まさか。


さっきも言ったろう?

僕はもう、彼と会うことは
二度とない。

ただ、僕が個人的に
してることだよ」


「――個人的にこっそりと
柴浦の様子を見ている。

そういうことか?」


伊織が低く確認すると、
渋谷さんはため息混じりに
頷いて、


「そうです。

会ってはいけなくても、
離れて見つめることはできる。

僕はそうして、昔から
柴浦を……父を見てきた」