ヤツはもう一口食べてから

「名前は春【ハル】。行くとこなくって3日間何も食べてなかったんだ…」

そう言ってまたとても優しく笑った。

アタシは聞けなかった。何で行くとこがないのか聞きたかったけど、聞いちゃいけない気がした。

アタシも知られたくないことはいっぱいあるから。

とりあえず、ハルをどうしようか考えた。


五分後―…の沈黙のあとアタシは口を開いた。

「アタシは、桜井 天祢【アマネ】高2。よろしく。仕方ないから行くあてが見つかるまでここにいていいよ。」


「本当に!?ありがとう。」

ハルの最近の印象は仔犬みたいなヤツ。
なんてゆうか、ほっとけないヤツだった。

そしてハルの笑顔にアタシは弱いんだ。