振り返ると、タイラ君がまだあたしを見送ってくれていて、あたしは再び大きく手を振った。 ずっと何かを探していた。 そして今、あたしは確かに感じている。 何かが始まると。 真っ暗なライヴハウスから。 ライヴハウスで出会った、タイラ君という少年から。 何かが始まる。 ここにあたしが探しているものがある。 あたしの心を震わせるものが、きっとある。 あたしは思い切り足を踏み出し、駆け出した。