或いはこんなスクールライフ

振り向く。

…そこには『山』があった。

否、正確には山ほどもある大きな獣が近づいてきていたのだ。

深い紫色の肌を持つ、筋肉に覆われた体。

背中まで覆い隠すほどの鬣(たてがみ)。

大木の如き、太く長い尾。

口元からは迫り出す牙。

赤く爛々と輝く眼。

その体躯の大きさは、上空にいるジズと同等の100メートル近い。

信じられない事に先程の大地震は、この魔獣が歩いた時の地響きだったのだ。

…卒倒しそうだった。

頭上には巨鳥王ジズ、退路には山ほどもある巨大な魔獣。

行くも戻るも地獄という奴だ。

私達に残された選択肢は、ジズと魔獣、どちらに殺される方がマシかという事だけ。

そんな状況下で、ガルル君は極めて淡々と、しかし驚くべき発言を魔獣に対して言ってのけた。

「父ちゃん」