貢にぃの背は、あたしが
かなり首ひねらないと
顔見えないくらい高いし。



手は、あたしの後頭部を
すっぽり包んじゃうくらい
大きい。



学校帰りのあたしは
ペタンコのローファーで、
身長もごまかせなくて。




……やっぱりまだ、
貢にぃと並んで歩くには、
あたしは子供だ。







――早く大人になりたいな。


あたしの時間だけ、
早回しで進めばいいのに。




街灯が作るあたし達の
影を見ながら……。



あたしは切実に、
そんなことを考えてた。





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