「どこがわからないんだ?

もう1回教えてやるから、
言ってみろ」


立ち上がった貢にぃが、
ローテーブルのあたしの
とこに来て、教科書を
覗き込んでくる。


――わわっ、

か、顔近いぃ〜っ


貢にぃのサラサラの
黒髪が、あたしの顔に
かかるくらい近いですよ!!


それはイカンでしょ!!



あたしは、ガバッとすごい
勢いで起き上がった。



貢にぃはメガネ男子
なんだけど、それがまた
似合っててすっごく
カッコイイんだよね。


切れ長の目に、
スッと通った高い鼻。


薄い、形のいい唇。