ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「―――――?」


時計を気にしながら
歩いてた貢にぃが、無言で
あたしに疑問の視線を向ける。


「え、えーと。

あ、あれかな。お店の人?」


「彼女か? ああ、そうだが」


『それがどーした?』と
でも続きそうな、そっけない答え。


「へぇ〜。

すっごいキレイな人だったね!

あんな人、前からいたっけ?」


実際あたし、時々ルナに
お客さんとして行ったり、
貢にぃの仕事仲間にも
何回か会ったことあるけど。


でもあの人は、記憶にない。


「彼女が入ったのは
半年ほど前だからな。

知らなくてもムリはない」