ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「もういい。行くぞ」


貢にぃは、オロオロする
あたしにため息混じりに
そう言うと、音もなく席を
立ち上がる。


「じゃあな。

大変だろうが、がんばれ」



――――え?





キョトンとしちゃった。



貢にぃが声をかけたのは、
さっきまで隣の席に
座ってた女の人。


――え、なに?

隣の人、知り合いだったの!?


あたしとの待ち合わせ
だから、トーゼンひとりで
いるものと思ってたのに。



あたしはきっと目を
まんまるにして、その
女の人を見ちゃってたと思う。