ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

窓際のカウンター席にその
後ろ姿を見つけて、
あたしは一目散にその
背後に駆け寄った。


「ゴメンッ、貢にぃ!

許してっっ!!」


あたしが叫ぶのと同時に、
貢にぃがパッと振り返る。


その表情は怒って――って
ゆーよりは、なんか
ビックリしてるっぽい?


大きく見開かれた瞳が、
すぐにスーッと険しい
感じに細まって――、


「美紅。 声が大きい」


「あっ! ゴッ、ゴメン……!!」


いけない、謝んなきゃって
意気込んでたからつい……。


あたしそんなにおっきい声
出しちゃったかな?


慌てて周りを見回すと、
貢にぃの隣の人だけじゃ
なくて、けっこう何人もの
人がこっち見てた。


はぅぅ〜っ、相当おっきい
声出しちゃったのかも(涙)