ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

待ってましたよ、そのセリフ。



「――それじゃぁさ。

もし、あたしが明日80点
以上とれたらどーする?」


「は? どうするって?」


貢にぃは『何言ってる?』
と言わんばかりの顔で、
レンズの奥の目を何度か
パチパチってやった。


でも、ここで引き
下がっちゃイミがない。


あたしはグッと貢にぃの
方に身を乗り出して、


「なんか、
ご褒美ちょーだいよ?」


「ご褒美?? 

なんでオレがそんなものを――」


「えーっ、いいじゃん!

別にそんなスゴイ物欲しい
とか言ってるわけじゃないし。

そーだっ、映画おごって
くれるとかでいいよ!」