「まったく……。上がれ」


貢にぃはあきらめたように
そう言うと、そのまま
階段をのぼり始めた。


あたしも急いでクツを
脱いで、後に続いて2階の
貢にぃの部屋に入る。


部屋に着いた貢にぃは、
ジャケットを脱いで
クローゼットのハンガーに
かけながら、


「で、今日は何が
わからないんだ?」


「あ、えーと、英語なんだけど。

……それより、昨日ゴメンね。

途中で帰っちゃって」


せっかく休日潰して
カテキョしてくれてた
のに、頼んだあたしから
『もういいや』とか言って
帰っちゃったんだもん。


失礼だったのは
もちろんわかってる。


だから部屋の入口に
立ったまま、モジモジ
しながらだけど謝った。