「狙ったような時間だな。

どーせ部屋から聞いてたんだろ」


「あ、あはは……」


カンッゼンに見抜かれてるし。


ま、このタイミングで
気づかれない方がおかしいか。



そのとき、おばちゃん――
貢にぃのママが奥の
部屋から出てきたんで、
あたしはここぞとばかりに
ターゲットを変更しちゃう。


「あ、おばちゃんこんばんわ!

ハイッ、これ肉じゃが。

いっぱい作ったから
食べてって、ママが」


「え? 
あら〜、ありがと!

由紀子さんの肉じゃが、
すっごくおいしいのよね〜 

嬉しいわ」


おばちゃんはいそいそ
歩いてきて、マジで
嬉しそうな顔でタッパーを
受け取った。