ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「ちょうどいい。

大人になった褒美に、これを
やる。

――だから、あんまり泣くな」


貢にぃがふいにそんなことを
言って、ジャケットのポケット
から何かを取り出した。


差し出されたそれを、涙に濡れた
視界で見ると――それは細長くて
小さな、ケースみたいなもの。

キレイな包装紙で包まれてて、
小さなリボンもかかってる。


中身はわかんないけど――明らか
にプレゼント、なんだけど……。


「ちょうどいいって……。

フツーこんなの、いつも持ち
歩いてないよね」


あたしは泣き笑いの顔でそれを
受け取った。


ホントに、照れ屋なんだから。