「あたしー」


『美紅か。

どーした? 
また勉強がわからないのか?』


う。 さすが鋭いな〜


でっ、でも今日はホントは
それだけじゃないんだもん!

いろんなイミで……。


「それもあるけどぉ。

あと、肉じゃが持ってきたの。

ママのおすそ分け〜」


『……………』


インターホンの向こうは
無言だったけど、すぐに
玄関のカギが開く音がした。


大きく開いたドアから、
貢にぃが顔を出す。


「……ホラ、入れ」


やっぱり貢にぃ、さっき
バイクから降りた服のままだ。

まだ、自分の部屋にも
上がってなかったんだ。