ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

それを、貢にぃにはなんて伝え
たらいいんだろう?



このホットケーキが、『特別』な
ワケを。




――右手に持ってたナイフを
置いて。


あたしはその手を、そっと自分の
胸に当ててみた。



トク、トク、トク。



鼓動が大きく速く、伝わって
くる。



待って待って、急かさないで。


そんなふうに、あたしをかり立て
なくてもだいじょーぶ。



だってホントは、もうとっくに
わかってる。



あたしが、貢にぃに伝えないと
いけないのは――……。




「あたし……

貢にぃが焼いてくれたホット
ケーキが、子供の頃から大好き
だったよ……」




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