ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

あたしがイチバン嬉しいのは……
あのときみたいに、これが、
あたしの為だけのものってこと。



パティシエの一ノ瀬貢じゃなくて。


あたしが昔から知ってる貢にぃ
が、きっとあのときと同じ気持ち
で、作ってくれた。




それが、何より嬉しいんだよ。






「さぁ、冷めないうちに食べろ」



貢にぃに勧められて、あたしは
素直にナイフとフォークをとる。


ホカホカ湯気をあげてるホット
ケーキを切り分けて、『いただき
ます』の声と共に、頬張って
――……。



「―――おいしい!」



ホントにビックリするくらい、
おいしかった。