ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

そんなことにも、胸がホワンと
熱くなるのを感じながら。

あたしは貢にぃと一緒に、それを
テーブルまで運んだ。



「ありがと、貢にぃ。

すっごいおいしそう」


「当たり前だ。

子供の頃は市販のホットケーキ
ミックスだが、今は違うからな。

同じ味じゃ問題だ」


「アハハ、そーだよね」


あの日をきっかけに、貢にぃは
パティシエを目指すようになって
――そしてホントに、こんな
立派なパティシエになった。


だからきっとこのケーキは、
子供の頃の数十倍はおいしい。




――けどね、貢にぃ。



ホントはあたしには、味なんか
どーでもよかったりするんだ。



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