☆☆☆☆☆



――ブルル……ン。



バイクが停車する音を
聞いて、猛ダッシュで
窓に駆け寄る。


ソロッと窓を開けて、
隙間から外を覗いて――。


「……帰ってきたっ!」


小声で叫ぶやいなや、机の
上に散らかってた参考書や
ノートをテキトーに
つかんで、あたしは部屋を
飛び出した。


1階に降りたとき、
ちょうどキッチンで
料理してるママに気づいて、


「ママ、ちょっと貢にぃの
トコ行ってくるっ!」


「あら、今日も勉強教わるの?」


「うん。

わかんないとこあるから」