ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

「ウ、ウン………」




――もしかして、貢にぃ。


『オレが焼いた方がマシ』って
ゆーのは、別にあたしの失敗を
怒ってるんじゃなくて。



『美紅が無茶するくらいなら、
自分がする』



つまりは、あたしを心配して
くれてる、って。



――そーゆーこと、なの――…?








あたしは放心状態で、ストンと、
力の抜けた体を椅子に戻す。


そんなあたしの耳に、続けて
貢にぃの穏やかな声が届いた。


「まぁ、スポンジは明らかに
失敗だが。

クリームの方は、そこそこよく
できてる。

初めてにしては上出来な方だ」