ビタースウィート・レッスン 〜聖夜に特別レッスンを〜

うぅ―――…。



最低サイアクの、大失敗だよ。



もうマジで、泣きたい。



肝心のケーキがここまでマズ
かったら、とーてい告白どころ
じゃないじゃん……!



「うぅ……ゴメン、貢にぃ」


貢にぃほどのパティシエに、
こんなマズいの食べさせて。



謝るあたしの声、すでに鼻声。


下を向いて歯を食いしばって、
必死で涙をこらえようとする
けど……どんどん目頭が熱く
なってくる。



「まったく……。

それで、何回くらい焼いたんだ?」


「………5回」