あたしはボーッとしながら
テーブルのキャンドルの
炎に見とれてた。



――なんだかあまりにも
非現実的過ぎて、夢みたいで。



そう――『ユメミゴコチ』。

まさにそんな感じ。




「――どうした?

食べないのか?」



正面に座った貢にぃが、
不思議そうに尋ねてくる。



「あ、ウウン。

そんなことないけど――」



お腹はとっても空いてる
はずなんだ。


だって今日は、お昼以降
何も食べてない。

夕方からずっと、必死で
ケーキ焼いてたから。